認知症について考える【後編】
9月は認知症月間です。
9月21日はWHOで世界アルツハイマーデーに指定されています。
そして日本では9月は認知症月間として様々な講演会研修会など啓もう活動がおこなわれます。
認知症について一緒に考えましょう。
2.もの忘れ外来受診をプラスにする
「もの忘れ外来」では頭の画像検査(CT,MRIなど)心理検査(長谷川式は有名です)、血液検査などを行います。認知症の原因を見つけるわけですが、認知症も様々であり、治療法があるものもないものもあります。
物忘れ外来をいきなり勧めて両親との関係を悪化させないために
高齢者が自分は認知症だから受診したいと申し込むことはありません。
まずは家族がかかりつけ医に受診時に付き添っていって、最近のエピソードを相談するのが良いと思います。
診察室の中のパターン化された会話の中でかかりつけ医も気づかないところがあるのです。
専門外来への受診は一般にかかりつけ医から情報提供書を書いてもらって、予約が必要です。かかりつけ医には家族からの情報が必要です。
また、一緒に外来受診しようと思うと親御さんの行動を注意してみるようになります。
お風呂で着替えをしているか?
夜寝られているか?
最近手紙を書かなくなった、電話をしなくなったなど行動の変化を見つけられるかもしれません。
配偶者や同居の家族が自然にサポートしていると自分でも案外気づかないこともあります。
そしてたとえ認知症の診断がついたとしても
高齢化は自然な過程であり、認知症もその一環です。
恐れすぎず、むしろ受け入れることで、より前向きに生活ができるでしょう。
家族や支援者が認知症を受け入れることで、本人も安心して生活できる環境が整います。
認知症は「怖い病気」ではなく、だれもが行く道、ひとつの年齢に伴う変化なのです。