理事長ブログ 親の介護:強かった親との乖離

 

親が年とって、1人で歩けなくなったり、認知症を疑うことは、娘息子にとって非常に辛い経験です。

かつて頼りがいがあり強い存在であった親が、助けを必要とするようになる姿をみることへの受け入れには時間がかかります。

ところが現在、脳卒中や骨折で入院すると、時として、この辛い現実を短い期間に受け入れ、決断しなければならないことが多いです。

◆かつての強い親

多くの子供たちは、親が自分たちのヒーローであると感じながら育ちます。

親は保護者であり、導き手であり、問題があればすぐに解決してくれる存在です。

親が強く、健康で、自信に満ち溢れている姿は、子供に安心感を与えます。

しかし、時間が経ち、親が老い、力を失っていくと、そのイメージが崩れてしまいます。

◆高齢の両親の現実

親が年をとり、話が通じないとか、1人でできなくなることは、子供たちにとって現実の姿を突きつけられることになります

かつては自分の世話をしてくれた親が、助けを必要とする立場になってしまうのです。

認知の低下により、自分のことさえ決められない、あるいは今の病状を理解できないこともあります。

尿意や便意がわからないといった変化は非常にショックであり、どう対応すれば良いのか分からない子供たちも多いでしょう。

◆娘息子の心情

親が弱くなっていく姿を見て、子供たちは戸惑ったり、情けなく思い、時には怒りを感じることもあります。

「何が悪かったのか?」「自分にもっと何かできたのではないか?」という後悔することもあるでしょう。

子供達も疲れたり、ストレスが大きくなるとかえって親を責めたくなるかもしれません。

◆家族の将来にのために

どのようにしてこの困難に立ち向かうべきでしょうか?

まず第一に、介護に関する情報を集め、適切な支援を受けることが重要です。

(社福)悠々会では居宅介護支援事業所しらいわでこのようなご相談を受け付けています。

介護に関するサポートグループや、同じような状況にある人々と交流することで、精神的な支えを得ることも大切です。

 

親が弱くなっていくことは自然なことであり、子供達は自らの気持ちを無理に抑え込む必要はありません。時には泣いたり、話を聞いてもらったりすることが、心の癒しになることもあります。

介護で悩む時は親の問題と同時に娘息子の問題でもあるのです。

親が年をとっていくことは自然なことであり、その変化を受け入れ、共に歩むことで、親子の絆はさらに深まることでしょう。