理事長ブログ 食べる力は生きる力

食べる力は生きる力

悠々会理事長の豊岡志保です。
朝の連続テレビ小説の主人公は食べることが好き!な女性が多いと思いませんか?朝、旺盛な食欲の主人公を見ると元気がでます。
そのくらい食べることは人に力を与えます。

 

私たち悠々会ではデイでも入居でも、食の楽しみをとても大切にしています。食べることは人間にとって大切な楽しみでもあります。できるだけ長く、自分らしく食事の味わえるように、工夫してお手伝いしています。

 

年をとると、食べる力が少しずつ弱くなっていきます。食事の時にむせたり、むせがなくても寝ている間に唾液が肺に入って、寝ながら咳が出ることがあります。

 

噛む力や飲みこむ力が落ちてしまい、ごはんや飲み物が間違って気管(息をする管)に入る、これが「誤嚥(ごえん)」です。そうなると、ばい菌や食べ物が肺に入ってしまい、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」という肺炎を起こします。

 

この誤嚥性肺炎は、日本人の死亡原因の中でも大きな割合を占めており、高齢者にとっては特に注意が必要です。何回もくり返すことが多く、だんだんと体力がなくなってしまいます。お薬や治療をしても、体が元に戻らず、徐々に食べる力が失われ失われて行きます。

 

見方を変えてみると、誤嚥性肺炎は食べる力が尽きた、という体の自然な変化であり、命の終わり方の一つのかたちです。一般に、飲み込む力が低下していくと、米飯からおかゆへ、自分で箸を使う姿から介助での食事へ入居者の方は経過とともに変わります。

苦痛なく、穏やかに過ごせるようにその方にあった食を考えることが、とても大切と考えています。