こんにちは、悠々会理事長、医師の豊岡志保です。
最近、私たちの施設でも「施設に入った父親、母親を改めてみてみるまで親の様子の変化に気づかなかった、もっと早く気づいていれば…」という声がよく聞かれます。
これは同居でも、現代の家庭では家族みんなで食卓を囲む時間も減ってきました。 娘さんや息子さんは仕事で帰りが遅く、寝る時間や起きる時間も高齢の親と合わず、ゆっくり話す機会すら少なくなっています。そのため、すれ違いのまま時間が過ぎて、同居の親の変化に気づくのが遅れがちです。
高齢になると、体の動きや物忘れが少しずつ進んできます。でも、その変化はとてもゆっくりで、本人も気づかないことが多いのです。 だからこそ、大切なのが「家族の目配り」です。
とくに、まだ元気なうちから、いっしょに暮らしている若い家族や、たまに会う子どもや孫たちが、ちょっとした変化に気づいてあげることが、介護予防につながります。
いくつかの気をつけて見てほしいサインをお知らせします。
1.歩くのがゆっくりになった
2.同じ話を何度もするようになった
3.今まで好きだったことに興味がなくなった
4.服装や身だしなみを気にしなくなった
こんな変化があれば、体や心の元気が少しずつ下がってきているかもしれません。
ちょっと気になることがあったら、遠慮せずに私たちに声をかけてください。
私たちのような施設や地域の相談窓口に話すことも大切です。
元気で長生きするためには、早めの気づきと、ちょっとした手助けがいちばんの薬です。 どうか、ご家族の「なんとなくおかしいな」を見過ごさないでください。
