理事長ブログ お盆休みに働く人への感謝

理事長の豊岡志保です。

 

暑い日が続いていますが皆様の体調がいかがでしょうか。お盆休みは家族の方の帰省により、面会が増える時期です。
施設によっては、お盆のお供えをして、入居者の方がたのさらに上の世代への思いを大切にしています。また、入居者の入所も病院やご家族の方の都合に合わせて、通常の週のように動いています。
この時期、街はのんびりした空気に包まれますが、その陰で交通機関やお店、物流、電気や水道、そして医療・介護の現場はいつも通り動いています。施設では、猛暑のなかでも入浴や食事の支援、清掃や洗濯、夜間の見守りが淡々と続きます。そこに暮らしがあるからです。入居者さんの日常は暦に合わせて止まってはくれません。食欲が落ちないよう献立を工夫し、脱水を防ぐために水分の声かけを重ね、浴室の温度や時間配分に目を配る——いつもと変わらぬの心づかいが、入居者の毎日を支えています。

 

一方で、働く人にも暮らしがあります。家族との約束を調整し、帰省やお墓参りを見送ることもあります。誰かの「いつも通り」を守るために、自分の「いつも」を少し脇に置く——その小さな働きの積み重ねが、社会の安心をつくっています。

だからこそ、ささやかな感謝が嬉しいのです。レジでの「ありがとうございます」、受付での会釈、施設職員への「今日も助かりました」の一言。約束の時間を守る、備品を丁寧に扱う、ピーク時間を避ける——それだけでも現場はぐっと動きやすくなります。子どもと一緒に感謝を伝えることは、次の世代のマナーの種にもなります。

 

休みの日も、動いてくれる人がいる。その事実を心に留め、日常に小さな「ありがとう」が増えたら、感謝はコストのかからない最強の文化です。よろしければ、今日どこかで出会う一人に、短い言葉を伝えてみてください。きっと、働く人の誇りが少しだけ軽やかになります。そしてそれは、回り回って、周りの人の心を柔らかくし、笑顔と挨拶の交わる街を、育てていきます。