最期まで、その人らしく。新しい『食』の取り組みを始めます

6月は寒河江がさくらんぼの赤い実に彩られ一番華やかの時期です。理事長の豊岡志保です。

 

特別養護老人ホームは、「終の棲家」という他の施設にはない役割があります。私たちはこれまでも、こちらで過ごす方たちが、お一人おひとりが穏やかに、その人らしく過ごせるよう努めてまいりました。食事が進まなくなったときに、ご家族に好きなものをとお願いすることがあります。ところが、何を持っていったら良いか、食べさせて良いものなのかと逡巡されるご家族もいらっしゃることがわかりました。

そこから栄養管理部門や介護、医務部門と相談して悠々会(いずみ、しらいわ、さがえ)では、看取り期を迎えた方にも「食べる楽しみ」をできる限り大切にしたいとの思いから、「なごみ食」の提供を開始することになりました。

 

年齢を重ね、体力が低下しても、「おいしいね」「もう一口食べたいね」という気持ちは残ることがあります。栄養や摂取量ではなく、その方の好きな味や食べやすさを工夫しながら、最期まで食事を提供していきたいと考えています。

 

また、私たちは「できなくなったこと」に目を向けるのではなく、「今できること」を大切にしたいと思っています。お身体の状態が変化し、お風呂に入ることが難しくなった方にも、清潔を保つケアはもちろん、食欲を引き出す工夫や、足元を整えるフットケアなどをより丁寧に行ってまいります。

 

足をさすり、爪を整え、心地よさを感じていただくこと。好きなものを見て、少しでも味わっていただくこと。そのような小さな積み重ねが、その方の生き方を守ることにつながります。

私たちが目指す看取りは、「何もしない看取り」ではありません。これらは人生の最終段階においても、その方らしさや心地よさを支える積極的なケアなのです。